よく「火災保険で修理できるから、うちで修理しませんか?」と訪問営業で修理を勧める住宅修理業者がいます。しかし保険会社や火災鑑定士の立場からお話しするとおすすめはできません。
今回はなぜ「火災保険で家の修理をすすめる業者」をおすすめしないのかをお答えしたいと思います。
勝手に不利な状況が作られてしまう!
自宅が古くなってきたから、修理をしたいけれどもどこで修理すればいいかわからないわ。
火災保険を使えば無料で修理できますよ。保険対応から修理まで全てうちでやるから、一切お客様のお手を煩わせませんよ。
それはいいわね。じゃあ全て任せようかしら。
この会話だけだと、お客様にとって悪い話ではないように見えてきますが、お客様にとってとても不利な状況が作られようとしています。
訪問業者の裏事情①:全て保険金は業者のモノ
例えば、50万円の雨樋の被害に遭われたお客様がいらっしゃったとします。しかし、訪問業者は80万円を提示しました。その後保険会社からは訪問業者が提示した80万円が支払われました。
そう、この差額の30万円はお客様が受け取れたのに、業者の懐に入ってしまいます。
つまり本当は受け取れる保険金が全て業者に渡ってしまうということです。
他にも外壁等修理ができたかもしれないのに、全て業者の支払いに回ってしまいます。
訪問業者の裏事情②:相見積もりが取れないことがある。
相見積もりとは複数の業者から見積もりをとる行為です。例えばスーパーで行っている商品であれば大体の金額がわかりますが、住宅を修理するための費用は日常に起こることではないため、平均の金額がわかりづらいと思います。そこで相見積もりを取ることで、妥当な金額が予測できるようになります。
しかし、訪問業者の中には相見積もりを取ることを拒否したり、「工事を他社に変えるのであれば、保険金の3割を支払ってもらう」と言われる業者もいます。
相見積もりが取れないと、実際にかかる修理費用がわからないですし、根本的にお客様の情報を取ることを防ぐ行為です。
相見積もりは修理する場合、必ず取得しましょう。その業者の金額が正しいか判断する材料になります。
訪問業者の裏事情③:解約金が高額
これは解約金だけでなく、調査費用という別枠で請求が発生したり、成功報酬を求められたりと様々な手でお金が請求される場合があります。
「解約しないから大丈夫!」ではなく、解約金が高額なのはおかしいくないか?と疑ってください。
解約金が高額だけで、その業者が悪徳業者の可能性がグンと上がります。
まずは疑いを持ってください
「火災保険で修理をすすめる」業者の中にも、悪徳ではない業者もいらっしゃいます。しかし大半が不透明で、実際の修理もしっかりやってもらえるか不安要素が多いのも確かですし、消費生活センターや国民生活センターでも注意喚起がされています。
火災保険で修理をすすめる訪問業者はできるだけ避け、地域密着型の身近な業者で修理をすることをおすすめします。